【育児小説】(1)カエルの子とカエル

ここはどこだろう。

暖かくてとても気持ちが良い。

でも真っ暗で少し窮屈だ。

毎日誰かが話し掛けてくる。

ワクワクするこの音楽はなんだろう。

僕は外に出たくて身体を大きく動かした。

足や腕を伸ばしたり、頭を振ってみたり。

色々な方法を試したけれど、どうしても外に出られない。

もう一度。もう一度。

すると、「まだだよ」「まだ出てこないで」と声が聞こえた。

毎日聞こえてくる声。優しい声。

何故だか僕は暴れる気が起きなくなった。

外への興味がなくなった訳じゃない。

この声に逆らってはいけない気がしたんだ。

それから僕は、変わらず居心地が良いこの場所でのんびり過ごしていた。

少しずつ変化する自分に少し怯えながら。

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